今回の代表監督解任劇の裏にはスポンサーの意向があった、有名選手のスタメン起用が確約されているという半ば陰謀論のようなものが囁かれている。
しかしそれは公然の秘密であり、以前から有名選手の背番号がスポンサーに決められるというのは日本だけでなく世界を見ても有り触れている事でもある。結局のところ人気選手のユニフォームを売るというのがサッカーという競技の目的の1つでもあり、その利益のおかげで競技が世界に広まるという好循環も発生し得る。
そして今回ロシアで開催されるFIFAワールドカップに挑む日本代表の有名選手といえばやはり本田圭佑の知名度は群を抜いている。
サッカーファン以外にもその言動が注目される現役選手は、今のところ本田しかいないのではないだろうか。香川真司や長友佑都、長谷部誠は比較的スポーツに興味がある層からの関心に限られるが、本田圭佑は物真似芸人まで存在するほど知名度が高い。
そんな自分も本田圭佑のファンというより、もはや信者に近くハリルホジッチを擁護しつつも本田圭佑を冷遇することには疑問を抱いていた。
ハリルジャパンで挑み塩試合三連発で惨敗or本田圭佑が中田英寿の大の字ポーズ
どうせ負けるのであれば、どちらが見たいかと言われれば自分は後者だ。
負けるにしても歴史に残る印象的なシーンを見られるのと、無名選手ばかりで何の見どころも無い負け方で終わるのとでは意味が変わってくる。
負けるのであれば「男最後の祭り」として、ド派手に最後の花火を打ち上げて、本田圭佑が中村俊輔のようなタコ踊りをして、中田英寿の大の字ポーズをして、城彰二のように空港で水をかけられて潔く散ることが美学だ。
そして三浦知良のように「魂はロシアに置いてきた」と辞世の句を残して、中田リスペクトで旅に出る、もうこれでいいんじゃないかな。
正直自分がブラジルワールドカップ惨敗から、惰性でサッカーを見続けてきたのは本田圭佑が次のロシアワールドカップで最後の一花咲かせるのではないかという期待していたからだ。
逆襲のシャアならぬ「逆襲の本田」を期待していたからであって、それが見られなければやはり不完全燃焼感は残る。
確かにハリルも本番の大勝負には強いタイプだが、本田圭佑もまた本番には強いタイプだ。
モウリーニョorポグバでマンチェスター・ユナイテッドが揉めているように、ハリルホジッチor本田という比較も成立する。
何か大舞台で起こしそうな両者が組み合わさる展開も見たかったが、どちらか選ぶしかないと言われればやはりピッチ上に立つ本田圭佑に期待したい自分がいる。
結局のところピッチ上で何かやるのは監督ではなくて選手なわけで、奇跡を期待するのであれば本田圭佑に白羽の矢が立つべきだ。
南アフリカW杯の時に絶望の日本代表を救い成り上がった男が、最後の代表戦に置き土産を残すのであれば、それは本田自身とも因縁があるロシアはこれ以上ない舞台となるだろう。
覚悟を決める時が来た、そういう時にやる男が本田圭佑だ。
もう実質ぶっつけ本番のような形になってしまったが、どれだけ準備を重ねても上手く行かない時は上手く行かないし、なぜか本番で勝ってしまう時もある。
「遅すぎることは無い」と本田自身も語っており、逆に言えばまだ2か月あるとも言える。
勉強していない受験生がセンター試験までまだ2か月あるという言葉並に信用はならないが、これまでも本田圭佑は何かを起こしてきた。
そして終わるにしても象徴的に終わるべきだ。
何もなく敗戦するよりは、せめて次のスタートのきっかけになるような終わり方を見たい。
ここまできたらやるしかない、魅せてくれ本田
勝つにしても、負けるにしても、もう派手にやるしかない。