意外と刺身の中で難しい食材がマグロだ。
鮪なんて高級だしどれも無難に美味しいだろと思いきやスーパーで買うパックの柵レベルでは外れが多い。ちゃんとした鮮魚店のところであれば間違いはないが、安かろう悪かろうのスーパーでは目利きが必要だ。
まず白身魚と違い、赤身魚は総じて痛みが早くキッチンタオルに包んで置けば夜中や翌日まで持つかと言うとそうではない。
帰って数時間以内に食べること前提だ。あと家庭用冷蔵庫では冷凍に時間がかかり傷むのでよくない。
そして赤魚は塩をまぶした後、水で洗い流すという工程が必要なことが多い。白身魚だとキッチンタオルに一度包んでドリップを取ってからもう一度くるむだけで十分だが赤身は余程状態が良くなければ食塩処理が無難だ。かと言って長くやりすぎると塩が染み込み過ぎて辛くなる。感覚としては一分で十分だろう。
あとは赤身のマグロの場合、赤黒い点々が入っていることが多いがこれは〆る時の血抜き処理が適当な証拠でマグロがストレスを受けているということで漁船の腕前ごとによる。斑点が無いものは上手く処理されている。
あと美味いからと言って買いすぎると外れた時に生臭さがキツくなるのでもっと食べたいなぐらいの一歩手前の量が結局満足度は高いことが多い。
そしてキハダマグロに多めなのが台湾産で、これは台湾の漁港で水揚げされその後日本に輸出されたという手間がかかっている。
よって千葉産や静岡産より鮮度が悪い。台湾現地で食べれば問題ないがタイムラグがある。
あとドリップと呼ばれる赤い汁が出ているものは注意したい。
トロのようにピンクっぽく見えるものがキハダでは脂身があって旨いように思う。
ちなみにマグロの種類はスーパーだと本マグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロとあるが値段と味もこの順で、自分はビンチョウマグロは味が薄いので食べず本マグロは高いのでメバチかキハダにしている。キハダは選びさえ良ければ美味しいのでコスパが良い。
あとインドマグロ、別名ミナミマグロもあるのだがこれはちゃんとした鮮魚店や寿司屋でしか売っていないので通な味と言われている。まあ通販使えばいいだけなのだが笑
金
富裕層は本マグロかミナミマグロ、庶民のマグロとしてはメバチかキハダマグロ、底辺はビンチョウマグロ。
そして刺身はワサビと冷やす時間が肝。赤魚は特にキンキンに冷やして山葵も多めでないと生臭ささがある。晩酌の間ちょっと席を外したり、お酒を作ったりする時間にそのままにしておくのではなく皿ごと冷凍庫に入れると程よく冷える。自分の場合、冷蔵庫の真横でお酒を飲んでいるのですぐ入れられる。
江戸時代は鮪なんて下級の魚だったのは傷みやすいからだ。マグロはヌルさ天敵だ。あくまで冷蔵技術のおかげで美味い魚であって、それを軽視したらただのまずい魚だ。
ちなみに今日食べたのはこんな感じでピンク味が鮮やかで生臭さもないあたりだった。
ワンコインで済む量なので大根のけんや海藻も使わずそのまま済ませた。モノが悪いと大根のけんをシートのように使ってドリップを吸収させるが、そもそもサクッと食べ終わってモノが良いのであれば必要ないと学んだ。刺身は長々食べるものでもない。
お酒は芋焼酎、なんとなくだが赤っぽいイメージの芋はマグロに合うような気もするし香りが強め同士相性が良い。