elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

久保建英「ベンチばっかカメラあって気まずかったっす」

天才ジーニアス、安易にその言葉を使うことを危うさを理解しているが久保建英、今最も私を興奮させる男の名である。

ついに日本代表デビューを果たした久保建英のプレーを見て、彼が疑いようのないクオリティを持った選手だと確信したサッカーファンは多いだろう。

 

史上二番目の若さで日本代表デビューを実現させ、更にその試合であれだけの活躍をしたのだから今回のエルサルバドル戦を見れた人は歴史的瞬間を見れたことを後に伝説として語ることができる。

 

何も大袈裟な表現ではなく、本当に凄かったのだ。

さすがバルサに評価されただけあって判断のスピードは抜群、トップスピードでも落ちない余裕のあるテクニック、そして遊び心も兼ね備えている。

後半停滞していたリズムに久保が入って冗談抜きで流れが一変し、大人に混じっても一番上手いというJリーグでよく見せている光景を代表でも再現した。

 

アイツ、本当に高校生か?という漫画みたいなプレーで、もう最近は漫画越えすることが流行っているようだ。

将棋の藤井が「漫画にしたら非現実的な設定すぎて没になる」と言われることがあるように、久保もまた現実離れしている。

今、サッカーに限らず日本の10代で活躍している有名人の中でも久保建英はトップクラスじゃないかと自分は思う。

それでいて時おり見せる高校生っぽさも魅力で、このギャップは面白い。

今日の試合後のインタビューでは「ベンチばっかカメラあって気まずかった」と過剰な報道にチクりと物申す度胸は既に大物だ。

 

初めて久保のインタビューを聞いた人は「あれこんな感じのキャラ?」と驚いたに違いない。

ピッチ上では本当にあどけない子供に見えて、子犬みたいな表情をしておると思ったらちょっと生意気そうな高校生みたいな喋り方をする。

「次に繋がったという敗戦はない」と語ったかと思いきや、ゴールを決めたときは嬉しさがにじみ出てはしゃぐ人間味もあるから、久保はキャラが面白い。

昔の中田のインタビューを見てるみたいで、こういう若いスターが昔の日本代表では注目されていたよなぁと懐かしくなった自分がいた。

Jリーグ開幕やワールドカップ出場、自国開催に向かっていた頃の日本サッカー界は今映像などで見ると「なんかこの頃の日本元気だな」と思うものだが、久保君にはそういう雰囲気を感じる。

 

スターシステムと批判する人もいるかもしれないけれど、個人的にこういう盛り上がりは嫌いじゃないし、そういう時代の方が活気があるのも事実だ。

ある意味日本サッカーらしい光景というか、今までを振り返ってみても話題になるような選手がいた時代の方がサッカーは楽しかった。

 

例えるならば「やっぱジャニーズが華やかに人気な頃の方が芸能界の活気を感じるよね」みたいな話で、最近だとキンプリの人気すげぇという空気を味わいたいのだ。

ジャニーズでいえば、久保建英は若干「昭和のジャニーズ」っぽいルックスをしていて喋り方もちょっとそれっぽい。光GENJIにいそうな雰囲気で諸星和己要素も少しあるような気がする。

 

今回の試合でも既に「久保ギャル」みたいな女性ファンが映っていて、柿谷や内田以来の女子人気のある選手になっていきそうだ。

あの「久保くん初選出おめでとう」という自作のプラカードを持っていた子は絶対どこかで話題になってるはず笑。

ベッカムの人気が高かった頃にしても、Jリーグ開幕頃の情熱にしても、最近だとセレ女の頃にしてもやっぱり女子人気が高い時は華やかだと思うわけで、こういう盛り上がりに反発する自称玄人ファンみたいな人はネットでハロウィンを叩いてるタイプだ。

 

実は自分はつい先日のセレッソ大阪対FC東京戦を現地観戦しに行ったのだが、そのあとFC東京との契約満了を発表したのでJリーグ時代の久保建英を奇跡的に見れたというちょっとした自慢がある。

その後の大分戦がJリーグラストマッチということになるので、本当に最後に滑り込めた感じだ。

もう10歳くらいの頃からサッカーファンの間では有名だったので、もう自分自身勝手に親戚のおじさんのような感覚になってしまっている笑

「今後俺はJリーグ時代の久保を生で見れたということだけで一生マウントを取れ続けられるぜ!」という思いで今日の試合も見ていて、「久保はワシが育てた」と悦に入っている。

いや、もちろん冗談だが、それくらい日本のサッカーファンにとっては親しみ深い存在なのだ。

今回のエルサルバドル戦でも久保が交代で入ったときのスタジアムの盛り上がりはテレビ越しにも凄く、人気を物語っている。この試合現地で見れた人と、J3時代の久保を見れた人にはさすがの自分もマウントを取ることは難しい笑

 

そして逆にかわいそうなのが永井だ。

実はこれだけ絶賛されているが久保自身はノーゴールノーアシストで、2ゴールを決めているのは永井である。

試合後のインタビューも小さい画面だったし、なんかこの活躍してるのに扱いが地味な感じは岡崎みたいで懐かしい。

ちなみに先程の話のようにFC東京の試合を見たので、自分は永井も生で見ているということになる。

実際ハヤブサという愛称は伊達じゃなく、本当に笑ってしまうくらい速くて最前線でプレスに走り回っている姿は延々と見ていられる。

 

トリニダードトバゴ戦と違い、エルサルバドルはアウェーでも前に出て攻めるチームだったので永井のプレーは面白いように効いていた。ロンドン五輪の関塚ジャパンが懐かしくなった人も多いのではないだろうか。

長らく代表には呼ばれていなかったが、日本の二列目を生かす戦術に合わなかっただけでこういう試合だと十分に活躍できる選手だと証明した。大迫とタイプが真逆なので、オプションとして森保監督が上手く使い分けることを期待したい。

 

そして後半終了間際に見せた中島とのコンビネーションは圧巻の一言で、こういう面白いサッカーを久しぶりに見た気がする。

全盛期の本田と香川のパスワークのようで、イメージを共有することができていた。将棋の藤井の頭脳が宇宙のように広いのと同じで、久保のサッカー脳は本当に未知数だ。

今までの試合で中島のパスの意図が伝わらないシーンが散見されたが、久保との組み合わせは完全にキャプテン翼と岬くんのそれだ。

正直もう久保10番で、久保建英中心のチームをカタールワールドカップに向けて作った方がいいような気さえする。

代表初試合でパスワークの中心になる18歳とかジーニアス以外何者でもない。久保の空間だけ早送りで動いてる現象は実際に目の前で見た自分としてはよく分かる、という隙あらば現地観戦自慢である。

でも本当にそれくらいすごかったのは事実で、セレッソ戦は負けて久保は封じられていたという報道もあるが、いやむしろ負け試合で彼の真価が垣間見れたと自分は思っている。

通常の状態でも判断は早いが、ラストにギアをかけるともう一段階早くなるという能力を持っている。しかも途中出場ではなく90分間プレーしているので、もう久保くんではなく、A代表基準の選手だ。

 

前回の試合で久保を出さなかったのは、練習でA代表基準でないのが判明してしまったからという見方もあったが、むしろ即刻久保中心にした方がいいレベルだと判明してしまった。

エルサルバドルはそんな弱小チームではなかったのは試合を見て誰もが気づいたはずだ。今まではJリーグだけでしかなかったので、フィジカルが強化されたことに懐疑的だった人も多くいたが、これで海外の代表チーム相手にも通じることが判明したのはコパアメリカを戦う上で大きな発見だ。

高校生と大学生でもフィジカルの差があるように、実はまだ身体的な進化は考えられる。

 

興行としてはあと少しJリーグにいてほしいが、いやもう1日も早く欧州にいかなければならないレベルだと考えを改めさせられた。イニエスタフィーバーよりもはや久保効果の方が高いだけにもったいなくはあるがもはや旅立つ時が来てしまった。

個人的には「バルサの選手として」という意味でも気になる存在だったが、本人が「バルサは自分のことを覚えていないでしょ」と冷静そのものだ。

つい先日パリ・サンジェルマン行きの噂が報道されていくらなんでも飛ばしが過ぎると思っていた、しかしあながち嘘ではないという気がしてきた。

来季、このスーパー高校生はとんでもない高みに到達しているかもしれない、というかもはや納得がいきすぎて誰も驚かないだろう。