今当たり前に存在しているアメリカがなくなるということは現代の我々には
想像できないかもしれない。
しかし、当のユーゴスラビア国民もまさか崩壊するとは思っていなかったはずだ。
ユーゴスラビアというのは、ヨーロッパに存在した国で
七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家といわれるように多民族国家だった。
その理念は素晴らしかったが結局は、凄惨な内戦の末に崩壊した。
現在でも、お互いの憎悪は根深いと言われている。
サッカーではセルビアとクロアチアの試合はかなり荒れることで有名だ。
日韓戦の強化版といえばわかりやすいかもしれない。
また、サッカーファンならベオグラード(セルビア)VSザグレブ(クロアチア)の試合が暴動に発展した映像を見たことがあると思う。
ユーゴスラビアがなぜ崩壊したのかといえば結局は民族対立。
理想の共同体として1つにまとまっていたように見えたが
実際は大多数のセルビア人が実権を持っていたことへ不満があったといわれている。
つまり平等ではなかった。あれだけの内戦に発展したのには理由がある。
仲良くできていれば、内戦なんて起こっていない。それだけの過去があったから起こったのだ。クロアチア人とセルビア人が憎み合うことになってしまった。
自分はこれがアメリカに似ているように思える。
結局、アメリカはWASP(プロテスタント系の白人のアングロサクソン人支配層)が実権を握っている。
簡単に言えばアメリカで一番偉いのはWASP。
まぎれもなくあの社会には階級が存在する。
アメリカはどんどんと非白人率が高まっている。
そしてこれからも増えていく見通しだ。
この問題はむしろこれから大きな問題へと発展していく。
現在は合衆国の理念ということでひとまとまりになってるように見える。
しかし、それは現在の世界情勢の中での話。世界情勢が変わり、その時このような問題を抱えた、いやそれ以上に問題を抱えているアメリカが今のように存在できているだろうか。いわば不自然な形で誕生し、維持してきた人工国家
それはよい可能性を多分に含んだものであると同時に悪い可能性も多分に含んだ状態ともいえる。いつそれがどういったきかっけで爆発するか。アメリカにはイエローストーンがあるが、それと同じように人種問題というのはいつ爆発するかわからない。
ユーゴスラビアはチトーという一人のカリスマ政治家がまとめていた。チトーは独裁者であったが同時に多民族を率いてナチスと戦ったカリスマでもあった。
しかし彼がいなくなった後に歪みがどんどん見え始め、その歪みが巨大化し崩壊した。
一人の独裁者がまとめているという部分ではアメリカは当てはまらないが何らかのきっかけでこのまとまりがなくなる可能性というのは否定できない。
その時、アメリカは巨大なユーゴスラビアに転じてしまうかもしれない。
アメリカは内戦の経験国である。
あそこでまたそういった何かが起こることは否定できない。
それは銃を交えた血を流すような形ではない現代型、近未来型の新しい形で内戦のような状態かもしれないし
本当にユーゴスラビアのようになるかもしれない。
人間、危機的な状況では本性が出る。冷静さを失ってしまう。
21世紀には、アメリカ本土が攻撃されるという前代未聞のことが起きた。21世紀、22世紀にはアメリカに何かが起こるかもしれない。
しかしそうなったとき、それはアメリカの問題では済まない。
これ下剋上のチャンスだと考え、どこかの国が動き出すかもしれない。
パックス・アメリカーナの時代を終わらせたいと思っている国は世界中に存在する。
軽く50か国に達するのではないだろうか。
アメリカが内部の問題でもめている状況で彼らが行動を起こすことはありえる。
そうなれば世界は再び混とんの状況へと陥っていくように思える。
第二次世界大戦を終わらせたアメリカが、今度は第三次世界大戦のきっかけになるかもしれない。
この記事を書いて数年後2016年10月アメリカの次期大統領がトランプに決定
トランプは大正義アメリカ復活のきっかけとなるかパックスアメリカーナ崩壊の原因となるのか。内戦へと向かうアメリカか再び世界の紛争に介入するアメリカとなるか。
どうなるか様子を見てみよう。世界はいまトランプ政権によって率いられるアメリカの行く末に注目している。