elken’s blog

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本田圭佑はロシアワールドカップで「ジダン」の役割が可能か

ここ最近全盛期に近いフォームを取り戻しつつあるのがパチューカに所属する本田圭佑だ。

しばらく代表から遠ざかっていることもメキシコでの"武者修行"に集中するにはうってつけで、実際にクラブワールドカップでは南米王者グレミオにも通用することを示した。

 

そしてやはりメキシコでの修行でパワーアップした本田圭佑には日本代表への復帰待望論も巻き起こる。

一時は代表の試合に出ても体が重たく、まるで代表末期の頃の中村俊輔化しつつあるとさえ囁かれていた。しかしそこから本田圭佑は復活し、パチューカへの移籍が単なる都落ちで無かった事を証明しつつある。

 

今の日本代表を見てもゲームを作れる選手がいない、得点できる選手がいない、ボールを収められる選手がいない、華やかなスターもいないと全てがないない尽くしの状態に陥っている。

 

本田圭佑本人も南アフリカでのパラグアイとのPK戦の悔しさ、ブラジルでの惨敗の悔しさを覚えているはずだ。まだやり残したことがあるともう一度戻ってくる彼の情熱は「ていうか選べよ」という言葉にも表れている。

 

ワールドカップ直前に復帰した選手と言えば有名どころではやはりジネディーヌ・ジダンだ。2004年に代表を引退したものの、レアル・マドリード時代の2005年に低迷するフランス代表に復帰し2006年のドイツW杯では決勝にまでチームを導いた。

最後こそ例のマテラッツィへの頭突きでワールドカップを背景に去って行ったものの、それまでのスペイン戦やブラジル戦での活躍は圧巻、まさに分裂状態にあったフランス代表を立て直し決勝にまで導いた。

 

本田圭佑

理想としては本田圭佑が今の停滞しつつある日本代表に復帰を果たし、今年のロシアワールドカップ本戦で代表を最高成績にまで導けばこれほど綺麗なストーリーはない。

ブラジルW杯前は「強豪国全部食います」と宣言した、その言葉を今実現する時なのではないか。

スポーツ選手の役割というのは夢を与える事でもある。

もし復活した本田がロシアW杯で日本をベスト8以上の成績に導けば確実に日本代表のレジェンドとして語り継がれる存在になる。

本人は「30歳を過ぎても成長できることを証明したい」とまだ情熱を忘れておらず、終わったはずの選手がもう一度トップの舞台に返り咲く姿には誰もが勇気づけられるはずだ。

 

"摂津のジダン"が本家ジダンがフランスで行ったことを日本で再現してくれるだろうか。

ちなみにワールドカップの最終メンバー23人の発表は2018年の5月に控えており、そもそも現段階では代表に呼ばれていない。

選ばれるかどうかさえ分からない段階で本戦の活躍を想像することは時期尚早かもしれない。

 

スーパーサブ的な役割で使われるのか、そもそもどのポジションで使われるのかさえも現段階では予想がつかない。今の本田圭佑を見ていると90分間走れることは十分に伝わってくる。

フィジカル的なコンディションを問題視する必要はないので、後は役割をどう決めるかになる。

本田圭佑は「ロシアで4年も過ごした日本人なんて中々いないでしょ」とロシアの地を知ることを語っているが、そういった精神的支柱やガイド的な役割ではなく、中心選手としての役割も今の本田には可能に思えてくる。

 

もし一時終わった選手のように思えたあのボロボロの状態から復活し、ワールドカップの決勝トーナメントで勝ち進むようなことがあれば涙を流す人すらいるかもしれない。

何かやってくれそうな選手という意味では、本田にはそういうった期待をすることができる。

最近の日本サッカーからは夢が無くなりつつあり、日本人にサッカーってやっぱり無理なのかなと思い始めている人も存在する。

そういった情熱を無くしつつある日本サッカー界に青天の霹靂をもたらすような圧巻の活躍をする、本田圭佑という選手にはそんな力があるようにさえ感じる。

「そんな選手がいても良いじゃない、いや、いてほしい」というのが本田のスタイルであり続けた。

 

本人も最後だと語るロシアでのワールドカップを飾るのはどういった姿になるだろうか。

しかし自分がそれ以上に心配なのは、やはり本田圭佑の引退である。

作家の村上龍が中田英寿との対談で「中田が引退してからサッカーを熱心に見なくなった」と語っている姿を見たことがある。

村上龍にとってのサッカー熱=中田英寿熱でもあったように、自分の中ではサッカー熱の半分近くが本田圭佑熱にもなっている。

サッカーファンとしての半分以上の時期を本田圭佑ファンとして過ごした自分にとって、本当に好きだった選手が引退するというのはまだ経験したことが無い。

好きな選手が引退するというのはこれまでも経験したことがある、例えばバルセロナからシャビが対談したときは一つの時代が終わったことを感じた。

中田英寿の大の字ポーズでの引退の時も当然寂しさは感じた。

 

しかしこれから感じる「一つの時代の終わり」というのはそれら以上に大きくなるかもしれない。

良くも悪くも世の中を騒がせてくれた本田の引退というのは必ず訪れる。

ワールドカップでの活躍したいではもう一度欧州にカムバックする可能性は存在する。パチューカに移籍したとき、1年契約にこだわったのはワールドカップ後の移籍のしやすさを見据えているからかもしれない。

2010年南アフリカワールドカップで活躍したにもかかわらず、結局CSKAモスクワから移籍できなかった苦い経験があるからこそ1年契約にこだわったのではないか。

 

そう考えるとまだ現役を続けてくれそうな気配はあるが、同時に「引退が早い方が次の世界での活動を早く始められる」と考えていそうでもある。

30代という時期を本田圭佑は"伸びしろ"と考えているように思える、そしてその伸びしろが多くあるのはサッカーのピッチ上以外の世界だろう。

 

中田英寿が好きだった人は彼の「旅」であったり、伝統文化を追い求める姿であったりを今も追い続けている。

サッカー界に経験を還元してほしいと考える人、サッカーから距離を置く中田英寿を良く思わない人もいる。

ただの本田の場合「ソルティーロ」の活動はこれからも続けていくだろうし、育成に携わっていくことは間違いなさそうだ。引退後はそういった活動に注目し続けることが本田ファンにできることの一つになるだろうか。

 

いよいよ始まったワールドカップイヤー、"有言実行の男"本田圭佑にはまだ「強豪国を全て食う」「ワールドカップ優勝」というミッションが残されている。

本田兄貴、男最後の祭りワールドカップで盛大に暴れてください。

これまでもただでは転ばなかった男はまだ何かをやりそうだ。