elken’s blog

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イブラヒモビッチのLAギャラクシー移籍で起こりそうなこと

ワールドカップイヤーという事もあり去就先が注目されていたズラタン・イブラヒモビッチの新たなる所属先がMLSのLAギャラクシーとなる見通しのようだ。

メジャーリーグサッカー(MLS)では年俸制限が課されないPD枠というものがあり、その3枠でロサンゼルスはイブラヒモビッチを迎え入れることになる。

 

イブラヒモビッチならまだ欧州のトップレベルでプレーできるのではないかというのが、この移籍ニュースを聞いたときの率直な感想だ。

まだもう少し伝説を見たかっただけにズラタンが欧州から去ることは寂しくもある。

マンチェスター・ユナイテッドでは2シーズンを過ごしたが、プレミアリーグの優勝とUEFAチャンピオンズリーグの制覇は世界中の"ズラタンマニア"が目撃したかった栄光だ。

残念ながら数多くのリーグを制覇してきたイブラも、プレミアリーグとCLのタイトルを手にすることなく欧州を後にする。

 

しかしよく考えても見ればイブラヒモビッチは30代後半を迎えているベテランの選手であり、通常ならばちょうど良い年齢でMLSへの挑戦を選択したということになる。

まだ欧州トップレベルの選手なのではないかという発想自体が感覚が麻痺してる考え方だが、それだけ高いレベルを維持し続けた偉大な選手だという事でもある。

 

またプレミアリーグにおける実績は否定されるべきものではなく、数多くのゴールは彼の実力を証明している。ヨーロッパリーグでマンチェスター・ユナイテッドを優勝に導いた事も彼の偉業の一つだ。

付け加えるならば膝の怪我があったことも惜しまれることであり、怪我さえなければ未だに圧倒的な存在感を維持していただろう。

 

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このように名残惜しさと心残りはあるが、その一方でイブラヒモビッチのMLS挑戦に明るい未来を思い描くことも可能だ。

規格外の男が次の挑戦で舞台にするのは広大なアメリカだ。

英語が堪能なイブラが今更アメリカで苦労することは無いだろう、それどころか今まで以上にズラタン流の名言を聞く機会が増えるかもしれない。

アメリカはスポーツにエイターテイメントを求める国であり、ショーとして盛り上げるならばむしろイブラと相性が良いのではないか。

アメリカ人はエンタメを盛り上げようとする選手を歓迎する国民性で知られる、きっとイブラの存在は従来のアメリカにおけるサッカー選手のイメージを変化させることに寄与するだろう。

 

サッカーの普及と発展を考えた場合、やはりアメリカがワールドカップの出場権を逃したことは惜しまれることだ。

これまでの大会、アメリカにおけるW杯の盛り上がりはもはや「サッカー不毛の地」という言葉が過去のものであるかのように活気づいていた。

ロサンゼルスという世界最大級の都市であり、流行の発信地にイブラという強烈なキャラクターが到来することはこの街を興奮の渦に巻き込むだろう。それはアメリカのサッカー文化のあり方を変える影響力をもたらすかもしれない。

 

かつてデイビッド・ベッカムがLAギャラクシーでプレーしたときはまだ発展の途上にあったが、今のサッカー版メジャーリーグはその地位を確かなものにしている。

ベッカムの時とは状況が異なるだけなく、更にズラタン・イブラヒモビッチはアメリカ人好みのキャラクターをしている。

 

イブラ自身、自らをスターとして演出する才能にも長けており、パワフルなプレースタイルはアメスポ的でもある。

やはりまだアメリカ人の中にもまだ「サッカーはただボールが行きかっているだけ」というような見方をする人は多く、イブラヒモビッチのアクロバティックなゴールを見る機会が増えればそういった考え方が変わっていく可能性もある。

 

W杯出場権を逃したことはアメリカサッカーにとって打撃ではあったが、その代りにイブラヒモビッチが訪れようとしていることの意味は大きい。

アメリカを舞台にまた新しい、そして終わりなきイブラの物語が始まろうとしている。

Soccer in America: The Official Book of the Us Soccer Federation SOCCER IN AMER [ Sunil Gulati ]