地上波で『パラサイト 半地下の家族』がノーカットで地上波初放送だったので、楽しみにしていた。
結果から言うと、面白すぎ、これはアカデミー賞取るのわかるわ。
(※この記事は大いにネタバレを含みます。ただネタバレ見て面白そうだと思ったら是非見てほしいぐらいには凄まじかった)
まず想像してたのと全然違う内容で、終始ハラハラしたし、最近改めて映画の魅力にはまっている自分としても衝撃を受けた。
こういう社会派のドラマというのは非常に好きで、なおかつエンタメ性もあって単純な面白さもある。
序盤や前半はシンプルにコメディ的な面白さがあっていきなり引き込まれた。
まず主人公は4人家族の長男ギウなのだが、見た目といい仕草と言い二宮和也そっくりで以後「二宮」と呼ぶことにする。多分ギウが二宮に似てるというのは誰かが既に言っていそうなくらい似てる。坊主のときの二宮の雰囲気のイメージだ。
あと母親役のチュンスクも日本人に馴染みのある雰囲気ですぐに親近感を持ったし、親父のギテクもいいキャラ
そして後に出てくる中川家礼二みたいなおっさんも面白い。
この映画、男性視点では金持ち家庭の奥さん、二宮の妹、金持ちの娘ダヘの3人で好みが別れると思う。
個人的には二宮の妹ギジョンの頭キレる感じとタバコも酒もやるやさぐれ女感が好きだった。ネタバレになるけど最後亡くなったときは本当に悲しかった。若干TWICEのダヒョン似なのも可愛い。金持ち奥さんは韓国のアナウンサーにいそうな美人で「シンプル」と評されるだけあってこの作品のお馬鹿キャラ担当
金持ち娘ダヘは鬼滅の胡蝶しのぶの中の人なので、絶対それで仕事来ただろwと。
早見沙織は超人気声優の割に自分は代表キャラ知らなくて、調べたらガンダムビルドファイターズのアイラは知っていた。キュベレイパピヨンのプラモ買ったくらいには好きなキャラだ。賭ケグルイはオープニングか何かがかっこよかったので今後見ます!
でもダヘは、なんかビッチ感あって最初は良かったけど徐々に冷めた。
二宮に家庭教師のバイト頼んだ先輩も「大学に入ったら正式に付き合う」と言って、ニノも同じセリフいってるのよ。つまりダヘはビッチで確定、はっきりわかんだね。
個人の感想というのはこういうくだらないことも含めてありのままの感想だと思うので、まあこんな感じで見てるときに思ったことを書いていきたい。
ダヘは韓国のアイドルグループであるOH MY GIRLのユアにも似ていて、こういう顔って日本にいそうで意外といない韓国美女顔でもある。
なおユアも大概男好きなので、こういう顔の韓国人女性は日本人男性の幻想とは真逆だ笑
一番笑ったシーンは、家政婦の桃アレルギーを利用して追い出す場面
不謹慎だけど結核の発作に見せかけた策は見事だと思って、漫画やアニメで言えばデスノート的な面白さもある。結果的にうまく行かないところも含めて流れの鮮やかさは似たようなものを感じた。デスノート好きな人はパラサイト見て面白いと感じそうだ。主人公は頭脳派で策というか悪知恵を練るタイプだ。ネットが嘘の情報で溢れている反動で口コミという身内の信頼を信じすぎるのも良くないという社会派メッセージは考えさせられる。
そして洪水で避難したときに父親に「最高の計画は無計画だ。無計画だと失敗しない。この体育館にいる奴らがこうなると思ったてたか」みたいな台詞を言う。
ちょくちょくこの親父、深みのある台詞が言うんだよなぁ。最初はただの面白い親父だったのに笑
最後悪いことするけどポンコツ親父感は愛らしい。
そうしていつの間にかこの4人家族に感情移入してる自分がいて、金持ち家庭がキャンプに行ってるときに全員で酒盛りしてるときは嬉しかった。そして玄関に誰か来たときは普通に家族が戻ってきたパターンだと思ったし、金持ち息子のダソンのパーティの時、偶然にも家族が集まるシーンも予想がつかなかった。
結局二宮は、あの石で自分が似合わない場所を壊そうと思ったのかと思ってたら中川家礼二が出てくるという衝撃の展開
先に地下に住んでた中川家夫妻が動画送信しようとするときの熱い攻防好き。この家族全員人間味があって、妙な絆や連携があってすごい面白く、スマホ奪うときは応援してる自分がいた。
同じストーリーでも西洋映画だったらここまで感情移入はしないと思う。日本人と似てる俳優が登場して、似たような情緒が描かれてるからこそ面白い。
何気にカニカマが日本産だったり、地下室にカタカナ表記があったり、ハングル読めると「オコノミ」みたいに書いててわりと日本要素もあった。
韓国の映画は何作品か見たことあるけど確かに面白いし、逆に今バリバリ韓国でコンテンツ作ってる年齢層って日本文化の影響をものすごく受けていてそこから学んでいる。
JYパークも、ポン・ジュノも青春時代に日本文化が闇で出回り大流行していたかちょうど解禁されたかぐらいの世代だ。
「韓国はアカデミー賞取った、凄い、日本に文化力で勝った」とか安直に思うわけではないが、単純に食わず嫌いしているともったいないとは思う。韓国人っていくら日本嫌いでも絶対に日本文化に接しないという人はほとんどいない。
戦争の恨みがあっても日本人ってアメリカ文化も影響受けまくってそれで成功したようなものだ。
今、韓国文化は確かに面白い。
嫌いだったけど認めざるを得ないと思ってかつて日本文化(もちろん日本文化だけではない)を吸収しまくった韓国が、こうして逆に日本人が面白いと思うものを作っているのは面白い。
近隣諸国のものが面白いという文化交流はどの時代、どの地域でもある現象なので、韓国映画パラサイトをとても楽しませてもらった。
最後の二宮が家買いに行くシーン、ハッピーエンドかと思いきやただの空想というオチも半地下の家族らしかった。
どちらの未来でも面白い。
直接ハッピーエンドを描くと単純すぎるから主人公の想像という形にしただけなのか、それは想像でしかなくバッドエンドしか待っていないという終わりでもいい。
新しいドイツ人家庭の家政婦が24時間いる以上、人間の生活に必要な日光の採取などでビタミンバランスが崩れそうなので、ニノが親父救出するまでの時間はそう残されてはいない。
旧家政婦を樹木葬で埋葬する隙があったので多少は外に出る可能性がありそうだと思ったけど、不動産屋が新しい住居者を見つけてくるまでにしていたら不可能だ。
あの豪邸に新家族がいるということはダヘの家庭はお父さん亡くなって、別のところに住んでいることになる。明言されていないものの社長一家親父が亡くなった場合、家族めちゃくちゃになっており先住民族好きの息子ダソン君は可愛そうだと思った。
作中では未解決事件で終わるものの青年になったダソンが執念でこの事件の謎を解き明かして二宮に復習するパターンも面白そう。再び出会うもダヘとはすれ違いで結ばれない。
ただ引っ越してるためあの地下室の存在をダソンが発見することは困難なので、無難にポンコツ親父が救出されるのか。いやいや、絶対あの頭いい息子は自分の親父が亡くなった事件を調べて関係者が元いた家にいること突き止めて疑問もつでしょ、と。
ここでギウVSダソンの続編始まるパラサイト2見たいね笑
ダソン君にも感情移入している自分がいるし、この映画は色々と考察しがいもあって面白い。
ところでこの映画を見て社長一家帰ってくるシーンで「チャパグリ食いてぇ〜」と思った奴より、二宮が先輩に家庭教師のバイト紹介される最初も最初のところで「ソジュ(韓国焼酎)飲みてぇ〜」と思った奴に共感するよ自分は。