elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

憧れの北陸に行く意味を失う程の海老を食った

時として「現地で食う」以上に現地から送られてくるものが旨い時がある。

 

流通の革命と進歩のお陰で自称"令和の北大路魯山人"こと自分も全てを悟る味を得てしまった。

 

魯山人先生が北陸に訪れて食べていた味がこんなにも近場のスーパーで食べられるとは。。。とあまりにも感動しすぎて、わずかな自分のこの末端場末酒飲みブログの読者さえ置いてけぼりにしてしまっている。結論を急ごう。

「刺身用の石川県産の甘エビを食べたら過去の全てが無になるほど旨かった」という話だ。

 

幼少期から親父に刺身で育てられている自分が「過去を無にする存在」などあり得るわけがない。

しかし自分は「無」を体験してしまった。無という存在、矛盾のような概念。存在の対義語なので無を探知した瞬間、無は無で無くなる。

 

しかし「過去を無にする味」がこの世にはある。

過去が無になる瞬間「なんだこれ」というほど激うまい味、美食家としての探求の道で会ってしまわなかった味。

では説明を野暮にわざわざしていこう。このエビ刺し身は自分が贔屓にしている近所の刺身がウリのスーパーで、三枚おろし等、臨機応変に対応してくれる場所で自分は以前「寒グレ」を捌いてくださいと頼んだことがある。その信用があるやや高めのスーパーを自分は贔屓にしている。

 

そして早朝に行ったら海老が置いてあった。岡田准一松本潤のどうする家康で散々やっている「海老すくい」を自分はウザいと思っているが、今こそ海老を食べたい、と触発された。

そしてこのエビをトゥーパック買った。酒飲みとしてはワンパックでは足りないからだ。

呑兵衛の鉄則「気に入った直感で一目惚れした肴は思い切って伝説的ラッパーの名前に習い2Pacを買え」

 

スーパーの刺身コーナーで売っている「一目惚れ」レベルで気にいる味は絶対的にワンパックでは物足りない。トゥーパックを男気見せて2つ買うと最高の境地に辿り着ける。後で一つしか買わなかった事を後悔する輩は酒飲み界では2流だ。通は予測して最初から余分に買っておく。

「スーパーで気に入った肴は絶対的に2つ以上必要になる。居酒屋だったら追加注文みたいなもんだ」という、これが予想できていないと一流の酒飲みにはなりゃしない、なれることがない。

 

自分はそうしてこの海老を自力で処理して、海老味噌を引き出す皿と、エビの生身を出すパートに分けた。この生身のエビにわさび醤油を漬けながらラストに海老味噌溜まりを最後のエッセンスとして添付するとまさに北陸に行く意味を失う極上。

順序が逆でもいい、先に海老味噌をつけてから最後に醤油にちょい足し。

これでこの面倒な海老ムキ作業を1時間近くやったかいがあった、というもの。自分はプラモ作るのは得意なのでこういう細かい作業は得意だ。

 

では、北陸に自分が行って往復運賃を払ってそこらの安い居酒屋に初見で立ち寄ったところでこのレベルは提供してくれないだろう。この手の海鮮素材はそういう安いものではない。交通費、宿泊費だけでなく高級酒場に行かなければならない。海老は材料費より手間賃がかかる人件費高騰食材だ。

 

ところで自分は冷やしている分量を含め自分の手間次第で1500円以下で楽しんでいる。

北陸に行ったところで自分好みに自分が自分のための丁寧に調理したエビやカニは、この値段では絶対無い。自分の調理スキルと店頭では出せないもののオリジナルの組み合わせ。

しかも自分で食べるので多少雑でも許せる。

 

醤油に海老味噌を混ぜるというのもありだ。自分はワサビの最後にミソを乗せているが。海老味噌、エビの内臓がこれだけ取れるとは。直接食べるものでは無いが味付けとして美味だ。

ただ、こんな解説などもう無意味だろう。