バイエルンが見事、欧州チャンピオンズリーグで決勝進出を決めたが、その立役者は最近まで無名のウィンガーだった。
まずは右サイドからスピードに乗ったテクニカルなカットインで切り込み、左足で1点目、しかもなんと右利きである。
次に中央で持ち込んで基点となりサイドにはたき、折返しをレヴァンドフスキが決めかねたこぼれ玉を押し込み2点目
完全に新スターの登場だ。
正直ニャブリを認識してたサッカーファン、どれだけいるだろうか。
自分が初めて知ったのはトッテナム戦での活躍で、あの試合から今季ヨーロッパの舞台で有名になったばかりの選手という認識だ。
実際にこれまでのキャリアは順風満帆ではなく、アーセナル時代にレンタルでウェストブロミッチに在籍していた期間は散々でパットせず。
そこからブンデスリーガをたらい回しで、なんとホッフェンハイム時代はセカンドチームにいた時期もあるらしい。これがたった2,3年前だ。
正直自分はどこの出身かさえも知らなかった。
父親がコートジボワール人で、母親がドイツ人、青年期までは陸上の選手というキャリアも考えていたらしい。
数少ない情報によると、アーセナルのユース時代をファン・ペルシーが知っており「当時は若い選手でとても速く、ドリブルも出来て、視野も広く、周りを見ている選手」だと評している。
現在25歳の選手なので、ポテンシャルからすればここまで駆け上がるのに時間を要したと言えるかもしれない。
むしろこの才能を発掘したバイエルン・ミュンヘンの凄さに驚く。
ロッベンの後継者をこうも簡単に見つけてしまった。
本来あのカットインでのシュートはメッシがしなければならなかったはずなのに。
また3点目のレヴァンドフスキも終始、細かい動きを繰り返し、収まりの安定感が素晴らしかった。
バルセロナの試合を見ていた身として、9番がこれだけ頼りになり献身的である姿は羨ましかった。見てたかスアレス、これが現代のストライカーの姿だ。どうせ見てもいないだろうが。
そしてとにかくチームとしてミスがない。あれほどパスが繋がるチームは久しぶりに見た。こんなものまでバイエルンボールになってしまうのかという保持力が時代の先を行っている。
特にワンタッチやワンツーの練習は、高い強度で繰り返していた成果だなと感じた。練習からして実戦以上のレベルでやっているのだろう。
バルセロニスタとしては悔しいが正直見事と言うしかない。
このチーム相手にネイマールがどれだけ対抗できるか。
間違いなくサッカーのレベルは次に段階に到達している。