白子の味(美味しんぼサブタイトル風)
自分はお酒に合う珍味系を好むがその中でも白子は値段や手に入りやすさと味の面で冬の味覚の定番である。一見グロテスクな見た目だがその味はまさに至高。
そんな白子だが店で食べるものと自分で買って調理するものの違いを不可思議に思っていた。
その種を気づかせてくれたのが自分がここ最近ハマっている美味しんぼである。
美味しんぼの52話「魚の醍醐味」を見ていて自分の茹ですぎる調理法が間違っていたと同時に、鱈の白子を海原雄山がただの代用品とボロクソに叩いててワロタ。タラの白子ですら生で食べるのは難しいしそれですら極上だったのに、それ以上のフグの白子はいずれ食べてみねば。そして代用品のネタがあれとは https://t.co/HN3o3kHfSK
— エルケンティキタカ (@Elkenty11) 2023年12月11日
その作中ではアラブ赴任を前に日本で海原雄山が紹介したフグの白子を食べたいという夫妻が登場するのだが、まず主人公の山岡士郎が代用品として鱈の白子を提供する。
ここで雄山が食のウンチクを語る。
「白子は湯がく場合、表面にさっと熱を入れるだけで中はほんのり温かいぐらいでいい。」
これには全てを気付かされた。
自分はどうも魚の内臓という部位が何やらしっかり熱を通さなければならず、生食できるのは専門店で提供される高級品でなければならないと。よって自分は白子をこれまでがっつりと茹でてきてしまった。だから店の味が再現できなかった。
これが調理前のグロテスクな状態
そして名前はわからないがステンレス製のザルが付いたような少量サイズの片手で持てるような湯切りにあらかじめ切っておいた白子を入れ、しゃぶしゃぶ程度に少しずつ分けて湯がくということをしたらこれぞ大当たり。添付画像を見てもらえればイメージがわかるはずだ。
これでたった10数秒湯がいたらなんとクリーミーな味ではないか。
そしてこのようにポン酢とおろし紅葉、刻みネギと合わせる。
お酒は芋焼酎で有名な鹿児島産であえて麦焼酎だ。
しかしここでことは完全には上手くゆかない。
ここで自分は決定的なミスをする、そうポン酢をドボドボと入れすぎたのだ。湯がいた白子を即効で冷やすため予めポン酢を入れていた器を用意していたがどうやら多めに入れすぎていた。これがなぜ悪いかと言うと白子という食材はつけている液体を吸ってしまうのだ。
最初こそ特に問題は無いのだが、すぐ食べきらずお酒の肴としてチビチビ時間をかけていると徐々にポン酢を白子が吸収してしまい茶色く変色し、なおかつ味も塩辛くなりせっかくの白子本来の味が台無しになってしまう。
これは生牡蠣でも同じことだし実は自分は同じ失敗をかつてしたのだが遠い昔で忘れてしまっていた。要するに刺身の漬けのようになってしまう。
冷やしたいのであれば湯がいたあと、アクとついでにすぐ冷水で洗い流し食べる直前にポン酢を少量かける程度でいいだろうというのが反省だ。ドバドバとポン酢に漬け込む必要もなく白子だけで十分旨味があるからだ。
食材に対してもったいないことをしてしまった。ただその反省を活かしてでも次に再び食べたい味だ。良き授業料になり究極のメニュー作りのために学ぶことは尽きない。