遂に決まったロシアワールドカップの組み合分け、日本代表はグループHに入ることになった。
自分自身の個人的な意見としても、そして多くの人の意見としても比較的に楽なグループに入ったというような認識だ。
確かに日本と韓国だけが最後に残って見るからに"死の組"というオーラを醸し出しているグループFと、比較的地味なグループHが残って後者に入ったのだからある種の安堵感がある。
正直なところカンナヴァーロが韓国を先に引いたとき「よし、助かった!」と思いながら見ていたしイランの時に引かれなくても良かったと思っていた。抽選会の中継は面白い、まさか日本が最後の最後まで残る事になるとは。
日本の対戦国:ポーランド コロンビア セネガル(グループH)
イランの対戦国:ポルトガル スペイン モロッコ(グループB)
韓国の対戦国:ドイツ メキシコ スウェーデン(グループF)
オーストラリアの対戦国:フランス ペルー デンマーク(グループC)
サウジアラビアの対戦国:ロシア エジプト ウルグアイ(グループA)
同じアジアからの出場国と比較してみればサウジアラビアの次に楽な組に入った印象を受ける。あくまで相対的な物だと考えれば恵まれた国であるが、やはり冷静に考えて厳しいのがワールドカップだ。そもそもW杯に楽な組み合わせなど存在せずどれも難しいが、難易度の高い組み分けの中では楽だというイメージに近い。
既に韓国とイランはお通夜ムードの状態にあるだろう。
まだベスト16への希望がかろうじて残されているだけでも日本はありがたい、そう思えてくる。
しかしポッド1でポーランドを引いたからラッキー感が出ているものの、本来ならばコロンビアがポッド1でポーランドがポッド2だったと考えると一気に難しく思えてくる。
ポーランドとコロンビアが逆だと考えるとやはり厳しい。
結局コロンビアとポーランドと戦わなければならない事、そしてセネガルも難敵だと考えると前途多難であることは間違いない。
そのポーランドも現在はFIFAランク7位で、コロンビアは13位、2年ほど前には3位だったことを考えると恐ろしい組み合分けだ。
セネガルもベスト8経験国でありアフリカ最高成績を残している。
しばらくワールドカップに出場できていなかったと考えると勝てそうな印象を抱くがアフリカ予選はカオスであり、波の大きいアフリカの国だと考えると今回はかなり調子が良いかもしれない。
それにしてもコロンビア、欧州中堅国、アフリカの組み合わせ、まるでどこかで見たような気がする。
そう前回大会のブラジルワールドカップだ。
ポーランドも少し前の印象ならば正直なところ欧州中堅国だというイメージがあり、前回大会の時はコートジボワールには勝てると多くの人が考えていた。
恵まれた組み合わせに入ったという雰囲気になり過ぎるとまた前回の二の舞になってしまうという危機感はある。
ただもちろん他の組み分けがあまりにも厳しすぎるので何かが起こりそうな可能性は存在するというだけでもモチベーションは変わってくる。
ちなみにベスト16に勝ち進んだ場合グループG(ベルギー イングランド パナマ チュニジア)の上位2か国のどちらかと対戦することになる。
常識的な予想ならば1位通過、2位通過のいずれにせよベルギーとイングランドのどちらかと当たる確率が高い。
かろうじてグループリーグを突破しベルギーに勝つか、イングランド相手にPK戦に持ち込んで勝利すればベスト8という前人未到の偉業も成し遂げられなくはない。
しかしその後に対戦する可能性が高いのはブラジルとドイツなのでさすがにベスト4進出までは不可能といういうのが現実だろうか。
理想的なストーリーとしては2位通過を果たし決勝トーナメント第一戦はイングランドと延長線に持ち込み彼らが苦手とするPK戦で勝利してベスト8達成、その後ワールドカップ本戦で初めてドイツと戦い世界を知るという展開だと見ごたえがある。
ベスト8まではサッカーにおける奇跡の範囲内にある、しかしベスト4以上はどうしても越えられそうにないというのが今回の組み合わせを見た感想になる。
ただしその奇跡はもちろん奇跡であって、現実的にはグループリーグ3位当たりで引き分けで得た勝ち点1が唯一の数字だったという終わり方のほうがイメージはしやすいしそのような想定で挑んだほうが良いとも思う。
例えばポーランド代表はメンバーの所属クラブを見てみるとこれが日本代表だったらどれほど羨ましいかというほどに充実している。プレミアリーグ、セリエA、ブンデスリーガなどのクラブ名が並ぶ戦力はFIFAランク7位という数字に実績として現れている。
誰もが語りたがるロベルト・レヴァンドフスキはまさに現代のゴールマシーン、ゴール量産の継続性、ゴールパターンの多様性、代表におけるリーダーとしてのメンタリティなど全てが世界最高峰の領域にある。
様々なパターンで安定的にゴールを決めることができる選手であり日本代表戦の時だけ偶然に師匠化するという選手ではなく、一つの対策だけでは別のパターンで決めてくるので封じる事が難しい。
歴史的には74年大会と82年大会にベスト4の3位を達成しており、ドイツとの一点差で決勝に進出しかけた歴史的な強豪国でもある。
ポーランド代表の愛称は「白い鷲」であり、日本代表の八咫烏とは"鳥類決戦"となる。
コロンビアはもはや南米屈指の強豪国であり南米を大の苦手とする日本が本戦で勝つことは想定がしにくい。
しかしクラブワールドカップで鹿島アントラーズがコロンビアのアトレティコ・ナシオナルに勝ったことを考えれば絶望的な相手だとは言えない。
更に言えば今回はロシアで大会が行われるので彼らのホームである南米の時のような強さを発揮できない可能性も存在する。
コロンビア代表の愛称はコーヒー農家であり、彼らに青い侍がリベンジを果たすことができるだろうか。
セネガルはアフリカ恒例のチーム内紛が起こることに期待するか、ハリルホジッチのアフリカ情報頼みにかけるしかない。
ブラジルワールドカップ以降ほとんどアフリカとの対戦経験が無いことは間違いなく不利ではあるものの、欧州でプレーしている選手も多いので今更アフリカ人選手に戸惑うことが無いとは願いたい。コートジボワール戦の経験がどれほど生きるかに尽きる。
ブラジルW杯の時は「カメルーンに勝ったり過去にはチュニジアに勝っているので日本人はアフリカは必要以上に恐れる必要はない」というムードで戦ったことが敗因の一つだったのではないか。
改めてアフリカを舐めてはいけないという心構えで挑む必要がありそうだ。
セネガルはライオン、まさにチームのプレースタイルに一致する。
全体的な印象としては悲観しすぎることは無いが楽観しすぎると危なく、ワールドカップのレベルになると楽な戦いはどこにも存在しないということになる。
しかし21世紀に入ってからベスト16を二度達成したことがある日本代表がその目標を掲げる資格は十分に存在する。ブラジルやドイツならば今回も優勝だと誇らしげに答えるだろう、それがサッカー強豪国のメンタリティになっている。
日本がベスト16を当然の目標として考えることはそれだけワールドカップ出場国として成熟してきている証だとも言える。当然今回もチャレンジャーの立場で挑む必要はあるが、大きなことを成し遂げようという野心を決して失ってはならないはずだ。
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