elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

初めてコクリコ坂からを見て感動した

先日、金曜ロードショーで放送された『コクリコ坂から』というジブリ映画を見た。

流石にもう有名どころを放送し尽くしたのか、マイナーなものまで地上波で見られるようになっているのだろうか。

 

このコクリコ坂からという作品は、の概要はというと2011年上映であり、長澤まさみと岡田准一を起用している。

舞台は東京五輪前の港町横浜で、いわゆる青春物語だ。

 

ただ、正直自分はこの作品を知らなかった。

あまりジブリの話題で取り上げられることもないし、2011年当時話題になっていた記憶がない。長澤まさみと岡田准一ならばかなり豪華なキャスティングだし、風間俊介や香川照之まで出ている。

更に声優としては、主要キャラを努めている白石晴香が調べてみると、若手声優として数多くのキャラを演じている。

 

それにも関わらず覚えがない。

今こうしてみると過小評価されすぎていて、今回の再放送で再評価されても不思議ではない。自分が無知なのかもしれないがなぜこれほどの作品が話題にされず埋もれてきたのか不思議で仕方ない。それぐらい衝撃的で美しい作品だった。正直、自分内ジブリ映画ランキング上位に入るほどで、自分好みだ。

ここから自分は長々と語りますよ(最後に一部ネタバレ有り)

 

まず自分が海が好きだからというのもあるけど、ジブリ自体海や港町のシーンが鉄板だ。夏になるとジブリの音楽聞きたくなる症候群に駆られるので、海の見える街なんかを聞いたりね笑

 

もうこの時点で「俺得」開始!

とにかく自分はこういう丘から見えるような海の景色が好きなんだな。それはなぜかといえば、自分もここまで綺麗ではないけど海が近いところに住んだことがあるのでその情緒が懐かしいからだ。

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もうね、この時代、戦後昭和の懐かしい日本の雰囲気が好きな人にとって見ればめちゃくちゃ好みのシーン出まくり。

「上を向いて歩こう」という音楽が使われていることに驚いたし、とにかく一つ一つのシーンがめちゃくちゃ書き込まれている。懐かしい昭和の景色堪能という目的だけで見てもいいぐらいだ。やっぱ流石、ジブリ、金と労力かかってるわ笑

 

昭和の飲み屋街の町並みや、岡田准一キャラの親父が家でくつろいで酒飲んでいるシーン、そして高校生が普通にウイスキーをすすめられるシーンなど見応え豊富(もしかしたらカットされてるシーンかも)

 

時代検証が忠実で、今から見ると倫理観やコンプライアンスに合わないシーンはあるものの、それもまたいい。

校庭で普通に生徒が焼き物する時代ね。自分の頃はギリギリ、教師が火を扱って焼却炉が小学校低学年ぐらいまでは置かれていた時代だ。

高校の頃は当然もう無い。

 

そして思ったのがこの頃の高校生、大人すぎだろと笑

というか昭和全般に言えることだけど、ほんと大人っぽいと思う。

ティックトックで喜んでいる今の高校生どころか、自分のようなゆとり世代ですらだいぶ子供っぽく過ごしたと思う。ちょっと上の世代のギャル文化ですら大人びいて見えた。

 

この物語のストーリーはカルチェラタンという古い建築物を守る内容なのだけれど、そこに出てくる様々な文化系の部活や、学生の集会などは今では考えられない。

体験したことのない昭和を美化するのも不自然だが、昔の学生の教養レベル高けぇなと思う。これは別にコクリコ坂だけを見て思ったことではなく、いろんな当時の学生の手記など書籍化された物を読んで思ったからである。

 

更にこの時代、恐らく中卒後就職というのもありふれていた時代なので、高校生というのが今のありふれた大学ぐらいのレベルだったのかもしれない。

いずれにせよ、当時の学生の熱気をフィクションではあるものの感じた。新聞を自分達で出版して、カルチェラタン取り壊し反対運動を盛り上げていく過程も情熱的だった。ガリ版に興味を持つというのがコクリコ坂ファンあるあるらしい。

 

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今年は特に夏の思い出が少ない状況なので、こうした美しいジブリ作品を見ると夏を補完できる笑

素直に自分はこういう青春いいなあと思った。長澤まさみがお使いに行かないといけないところで、坂道の時に岡田准一が自転車で送ってくれるシーンなんて男女どっちとも憧れるパターンでしょ。

コロッケさり気なく2個頼んで、あげて、そのあと直ぐ去っていくシーンかっこよすぎ。

 

この坂道の二人乗りシーンの躍動感と最後の三輪自動車のシーン、崖の上のポニョで見たような車のアクションっぽくてジブリイズムを濃厚に感じられた。

ああ、ジブリだなぁっていう

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この走るシーンも好きすぎた。

 

作画は2011年水準なので、現代的でありながら懐かしい。

というか、よく2011年にこの題材を上映しようと思ったのが凄い。

原作はあるらしいけど正直題材としては万人受けするものではないし、自分が子供の頃だったらつまらないと思っているだろう笑

ジブリ特有の不思議なファンタジーの世界観ではないし、猫バスモロみたいな動物ややラピュタやナウシカのような宮崎駿的メカも出てこない。

 

確かにこれは隠れた名作という立ち位置が相応しい。

まあわけもわからずに見た昔舞台の映像が大人になっても懐かしくなることもあるのだが。子供の頃に見た戦後昭和の激動や動乱を描いた再現ドラマとか妙に懐かしい。

 

昭和うぜぇとかダセェとか思ってたけど、いつの間にやら幻想を感じるようになったもんね笑

そういう自分からすると今話題のトトロのサツキは児童労働だのなんだの文句つけてる人って、もう昔が題材の創作物総じて楽しめないんだろうなぁと思った。

いや、それはあなたが男だから女性の苦労がわからないんだと思われるかもしれない。

ただあの頃って男らしさが重視されて、このコクリコ坂からでも「男どもは危険な作業をしろ」みたいな台詞が出てくるわけですよ。

男も男で、男であることを求められて厳しいことがある。

とにかく男女ともにこんな青春タイムスリップしてみたいなぁと思える作品だと感じた。

 

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ところで、この風間俊介キャラ、今だったら結構人気出そうだと思った。

こいつ何気にいいよなぁ

スタイルもいいし、学園長的な感じのエリートなんだけど普通に優し目の紳士キャラ。

岡田准一とのコンビもよかったし、長澤まさみの妹とくっついて欲しいと思った(ノマカプ脳)

 

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そして、みんな大好きジブリ構図

なんかこのアングルどっかで見たことあるわ〜という笑

 

ネタバレになるけど家族の真実を知って兄妹かと思いきや、兄妹ではありませんでしたというハッピーエンドも良かった。

お互い好きなんだけど兄妹だと発覚して普通の友達に戻るけど、やっぱり兄妹ではなかったという。

 

演技に関して言えば岡田准一は違和感無さすぎ、そして長澤まさみの声は合っていた。自分も昔はアニメの声優に芸能人使うなという勢力だったけど、やっぱ一流の俳優や女優は凄い。

長澤まさみじゃないとこのヒロインの魅力は出せないし、今の声優がやると現代的すぎて昭和舞台という雰囲気が出せなかったと思う。

 

総評

地味ながら名作、むしろジブリ要素満載

商業主義と無縁にジブリの好みを趣味全開で作って、後々の風立ちぬなどにつながってきそうな作品

随所にジブリ的な美的要素があり、映像美だけでも楽しすぎた。昭和懐古の雰囲気に思いを馳せたい人はぜひ一度オススメ、個人的にも好みで最高だった。