elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

自称令和の北大路魯山人がおくる極上の鯨刺身

「鯨の刺身こそ現代文明がもたらした最高の美食だ」

 

それは(自称)令和の魯山人の言葉である。

 

現代でも流通が強い地域でなければ食べられず、割引でさえもっての外、たった一日食べずに冷蔵庫で保存しているだけで味が落ちる繊細な食材だ。

 

その味は馬刺しやユッケにも劣らない、哺乳類としては最高の肉食だ。

ゆえに食通はこぞってクジラを愛するが、同時に扱いは難しい。

 

何より非常に癖が強く、「鉄くさい」と評される味は人を選ぶ。

切って盛り付けてもしばらくすると真っ赤に血が滲み出てきて皿は溢れる。

だからこそ生命の肉を感じるワイルドな味わいであり、もっとも日常で手に入りやすいジビエとも言えるだろう。哺乳類の刺身は普通のスーパーでは売っていないが、クジラは唯一手に入る。そこまで高い値段でもない。

 

普通に切って食べると確実に大失敗する。ナマモノや珍味が好きな人はなんともないだろうが、ひと手間加えるとより食べやすく美味になる。

まずパックにある状態から一度取って、洗って、トレーにあるシートも取り外してトレー自体も血があるので洗う。

 

そして鯨肉自体を流水で強く絞るくらいの勢いで洗う。鯨肉は思った以上に柔らかいが、ちぎれにくい特性があるので遠慮せずに。流水に晒すとわかりやすいほど落ちていることがわかる。

 

次に重要なステップとして、多めなくらいに塩を強く揉み込む。そして数分トレーに置いておく。塩は安いのでこちらも遠慮せずに塩漬けにしよう。塩辛くなるとか、塩分が多くなるとか気にせずに。この食塩はくさみやぬめりを吸い取るもので、このあと徹底的に洗い流す。

もう一度絞る。数回、といっても3回ぐらいで十分。最後にキッチンペーパーを強く押さえつけるぐらいにして余分なものを吸い取って準備完了

 

このあとはいつのどおりの刺身の切り方をして、パーシャルや凍らないくらいに冷凍庫に入れておけばいい。

 

ただ、このあとからが自称魯山人の美食家テクニック

以前自分はどうやったらこういった癖の強い素材を美味しく食べられるか、と生カツオを食べるとき考えた結果玉ねぎで挟む作戦を考案していた。そして鰹と似たなまぐさい性質の鯨であれば、同じ方法は使えると思っていた。

らっきょう漬けと食べるとき相性がいい事は既に確認済み。

 

ネット民「玉ねぎは安いし美味いぞ」

親父「タマネギは刺身に合うし健康に良い」

ということでよくネットで売っているものではなく、最初なので淡路島産の玉ねぎを試してみた。

 

お恥ずかしいことに自分はアラサー人生でこれまで一度も玉ねぎを切ったことがなかった笑

一人暮らしをしていても、簡単なものしかやらない。食に興味ない時代はスナック菓子だけ食べるという酷い生活をしていたこともある。

今回最初から玉ねぎを処理して、まずどう切ればいいのかわからない。先日手に入れた包丁でいろんな角度で切ってみたので、形はもうほんと適当だ。

これを先に皿に敷いて、上からもう一度覆うというサンド作戦。この状態で、調理のときに上がった温度を下げるため冷蔵庫で寝かせると絶対旨くなると予想した。

 

ただ「自分の切り方悪いからこれ絶対辛くなるだろうな」と心配していた。親父直伝の方法ではスライサーで切っていて、これがわさび醤油では本当に美味くてコスパもよかった。親父はこれで刺身をかさ増ししていたわけだ笑

 

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ここでもう一つポイント、前述の新しい包丁、以前記事にしたこともある柳刃がここで再登場

こいつがここで大戦力として活躍した。

自分は鯨の柵はこれまで何度も切っているのだが、違いが明らかだった。刺身包丁を新調した時、これはクジラで大きな威力を発揮するだろうなと予想していたが的中。クジラは硬いどころかむしろ柔らかいのだが魚と肉質が違ってちょっと綺麗に切りにくい。イカやタコとも違う質感だ。切れるは切れるけど、薄くしようとすると切りにくい。肉に近いのでどうしても厚くぶつ切りになってしまう。

そのクジラがさっとここまで薄く着れるんかと感動した。

 

千鳥大悟「どれくらい薄いん?」

ノブ「安いローストビーフ丼くらい」

 

この薄さが重要になる。

薄さのおかげで、玉ねぎを巻いてくるみやすい、これが最高。

そして危惧した玉ねぎの辛さ、なんてことはない。それどころかめちゃくちゃ甘い。淡路島凄すぎない?国産凄いわ、日本の農業凄い

 

人生でこんな玉ねぎ食ったことないレベルで美味い。玉ねぎなんてそんな使わんやろ、と思ってそんなネットみたいにいっぱい入ってなくてもいいと思ったら大当たり。

いつもクジラを買うと直ぐ食べきって物足りないので、かさ増しとに玉ねぎを選んだらこれだけで美味いレベル。

 

らっきょう漬けって何気に高いし、らっきょう自体高級食材だ。そして漬けてる液体が結構濃い容量だ。玉ねぎ直接切ったほうが余分なものがなく、野菜そのもので健康にもいい。

特に酒飲みは脱水状態になりやすい、ということは血液がよどみやすいので、サラサラ効果のある玉ねぎを生で食べる効果は抜群。

生で酒に合う野菜自体も珍しいので丁度いい。

わさび醤油でもにんにく醤油でも合うまさに神食材であり刺身の盟友。パック刺身の大根なんて味しないのよ

 

ちなみに今回はにんにく醤油でいつも使っていたよくあるピンクのにんにくチューブではなく、ちょっとお高めの端っこに置いてあったものを使っているのもポイント。

これも日本産凄いじゃないけど、青森産を使ったチューブらしい。使ってみてわかったが、刻みにんにくのようにサラサラ出てくる。生にんにくをスライスするのが面倒だけど味にはこだわりたいという需要にはうってつけだ。

チューブ調味料コーナーをよく見ると、こんなのあんだというのが意外と多く新しい発見があるのよね。

 

にんにくは簡単に潰す機械があるのでそれで青森産を直接潰すのがいいけど、皮をはいだり使ったあと洗うのが面倒だ。瓶詰めのものを使うというのもありなので、このチューブのものがベストというわけではないがまぁ使いやすくはある。

 

そして何より、いい包丁使うからこその精神的影響は大きく違う。

古くて綺麗ではない包丁は使うのも面倒だし食材が衛生的ではないように思えるが、新しく切れ味がいいものだと調理自体が楽しくなる。最初は切るのは刺身だけでいいと思ってたけど、玉ねぎ切ることにチャレンジした自分がいるというのが驚き。

日用品で高級品を使うことってこんなにQOL高まるんだという喜びだ。

 

料理が面倒だという心理は、包丁使うのが楽しくなくて億劫だということから来ているように思う。それが楽しくなれば洗い物も苦にはならなくなる。包丁が悪かったことが全ての元凶、料理が悪ければ身も心も元気が出ない、新しい発見もないし新しいことをしようというやる気もない。全ては包丁から始まるといっても過言ではないだろう

 

包丁も国産、にんにくは青森、も玉ねぎも淡路の国産、しょうゆは広島の牡蠣醤油、お酒も今日はキンミヤでレモンサワーなので、三重の人は感謝してほしいね。

自分はちゃんと日本に還元している笑

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